第5章 共鳴
ホテルは食事の時間となり
ミサとミヨは食堂で向かい合って座り
静かに食事をしていた
二人の後ろでは
従業員たちが静かに立って見守っていた
そして
絶妙のタイミングで
次から次と食事が出され
彼らのプロ意識の凄さを感じさせていた
そして何よりも味が絶品で
だされた食事を口に入れる度に
二人は驚きの表情から
笑顔に変わっていくのだった
そんな二人の様子を
彼らは黙って見ていたが
安田「二人の動き、同じや....」
安田がミサとミヨを見て
感心するように呟いた
錦戸「口に入れるモノ
運ぶタイミングまで同じとはな」
それを聞いた錦戸も
笑いながら付け加えたると
横山「おい、失礼だぞ」
二人の話を横山が制止させた
罰が悪いように二人は姿勢を正して
何もなかったかのような顔で
また立ち始めた
しかし
会話の通りに
ミナとミヨは合わせているかのように
動きは自然にピッタリと一緒だった
それを横山は静かに見つめ続けていたが
二人が口に運んでいた
スプーンをテーブルに置いたのを
見ると
静かに目で合図をした
錦戸は合図を見ると
二人にデザートを運こび始めた
錦戸「こちらがデザートでごさいます」
頭を軽く下げてミナの前に静かに置くと
ミヨの方に足を進めよとした
その時だった
ミナ「私、そっちのアイスにして」
ミナは自分の前に置かれた
アイスを見つめながら言った
その言葉で錦戸の足が止った
錦戸「はぁ?」
ミナ「そっちのアイスがいいの」
ミナは錦戸の感情を逆なでするように
また言う