第4章 従業員の秘密
心配そうにしている
大倉と雪に向かって
丸山「二人は
お腹の赤ちゃんの事だけを考えて
生まれるのはもう少し先だけど
今は大切な時期なんだから」
丸山は静かに言った
大倉「マル、ありがとう....」
横山「とにかく
まだ調べてみんと
分からんな
今の事は他言無用で」
その言葉に聞いていた者は
静かに頷いた
しかし
大倉は突然
静かに口を開いた
大倉「横山くんは大丈夫?」
その言葉に横山は大倉を見た
大倉「今、力をなくしてる気がして」
丸山が驚いて横山を見た
すると横山は小さく笑った
横山「今は月が欠けていってるからな」
二人は不思議そうな顔をした
その二人を見て
横山は言葉を付け加えた
横山「俺の吸血鬼の力は
月の満ち欠けに影響されるみたいや...」
丸山「えっ?」
大倉「俺らはならないのに?」
横山「おん....
俺がアイツから血を貰った時からや」
横山を守って愛した女は
神の子供だった
その女から一度だけ
血を吸った事があったのだ
丸山「ねぇ、それは新月の時はって事?」
横山は静かに首を振った
横山「月の大きさが
俺の力は影響されてるみたいなんや」
丸山は驚きながら言った
丸山「じゃ、今は」
横山「月が欠けていってる」
大倉「力が失われて
いってるって事だね....」
横山は頷きながら小さく笑った
横山「月が消えた時は
俺を簡単にやれる....」
小さく笑うと
そのまま一人
部屋を出て行った
残された三人は
何も言わずに彼を見送った
そして
この秘密を知ってしまい
大きく動揺していたのだった