第40章 二人は・・・・
その言葉にミヨは悲しそうに俯き
ミヨ「そうですか・・・・」
ミヨの気持ちなど知るよしもない
渋谷は自分の思い考えを言い続けた
渋谷「人はどこかで
悪を美化するやろ?
カッコいとか」
そう言いながら小さく笑うと
ミヨ「そうですね・・・」
ミヨは返事をしながら感じ取っていた
この人は救いの神ではなく
自分の命を奪い取る
吸血鬼なんだと
しかし・・・・
哀しみに染まっている
吸血鬼なんだと・・・・
それがミヨの心を
寂しくさせていたのかもしれない
自分の事を
憐れんだように見ているミヨに
渋谷は言葉をかけた
渋谷「なんやんねん?」
ミヨは恥ずかしそうに首を振った
まさか、この男に心が引かれているとは
気づかれたくなかったのだ
その時だった
ミヨの部屋の扉にノックの音が響くと
同時に扉が開き丸山が顔を出した
ミヨの赤い顔と
ミヨの前に立っている渋谷を見て
丸山「あっ、ごめん
お邪魔だったかな?」
そう言いながら照れた顔を見せた
丸山が何を感じたか分からない
渋谷は驚きながら
渋谷「おい!何を言ってるんや?」
すると丸山は空気のように
スッと部屋に入って来ると
静かに渋谷の横に立ち
静かに言った
丸山「もう一人のミナさんも
意識を失って部屋に運ばれたって」
その言葉にミヨは驚き
ベッドから立ち上がろうとした
しかし胸にまだ痛みが残っているために
ミヨは上手く動けずに
ベッドがら落ちそうになってしまった
渋谷「おっと、危ない!」
倒れかけたミヨを渋谷は抱き止めた