第37章 動き出す
外に出た安田は歩きながら背伸びをした
すると空には星が見えたのだった
安田「ほんま夜でよかったな」
微笑みながら安田の言った言葉に雪も
雪「本当に、綺麗な星空ですね」
雪も星を見つめていた
安田「星も反対なんかな?」
安田の疑問に雪は少し笑いながら
雪「反対だと思いますが
綺麗さは関係ないですよね
反対でも・・・・」
安田は感じていた
この感性が
大倉が愛する女なんだと
ホッとする感じと
時に自分たちを驚かす程の根性を見せる
まさに吸血鬼の嫁に相応しいと
安田は思っていたのだ
何も言わずに自分を見て笑っている
安田に雪は不思議に思った
雪「どうしたんですか?」
雪の言葉に安田は照れながら
安田「大倉が惚れた理由がわかったなぁって」
その言葉に雪が顔を真っ赤にした
雪「もう、こんな時に冗談は止めて下さい」
真っ赤にしながら怒りながら言う雪に
安田「ははっ、冗談ちゃうのになぁ」
そう笑いながら歩いていたのだ
しばらく屋敷の周りを歩いていたが
ある壁の前に安田は立つと
安田「ここや」
その言葉に雪もその壁を見た
安田は雪を見ると力強く頷くと
安田「ほんなら、行くで」
言葉と同時に霧に変わり
壁の中に入って行った
雪も安田と同様に
霧に変わり後を追うように
壁の向こうに消えたのだった