第4章 従業員の秘密
横山と丸山は二階の
大倉の部屋の前に来ていた
周りを警戒するように丸山が小声で言った
丸山「また
誰かが入り込んだみたいだね.....」
その言葉を聞いて横山は
小さく笑って
横山「いや、正確にはまだやな」
丸山は横山を無言で見つめる
横山は丸山を無視して部屋をノックする
すると大倉が急いで扉を開けて
顔を覗かせた
横山「マルを連れて来たで....」
その言葉と丸山を見て
大倉はホッとした顔をし
二人を部屋に招き入れた
ベッドに横たわっていた雪も
少し身体を動かしながら
雪「大丈夫だって
言ってるんだけど.....」
雪は少し笑いながら
大倉を見た
マルはゆっくりと
雪の傍に寄って行くと
丸山「大切な子供だもんね
お父さんが心配するのは分かるよ」
そう言うと
雪のお腹に優しく手をあて
意識を集中させた
その様子を大倉は
不安げに見守っていた
丸山は静かに大倉の方を振り向くと
丸山「二人とも元気だよ」
そう微笑むと
その言葉を聞いて
やっと大倉の顔に笑顔が戻った
そして横山も
大倉の肩を優しく叩いた
すると雪がお腹を触りながら
雪「心配性のお父さんと
おじさまたちですねぇ」
そう幸せそうに微笑んだ
しかし
横山の顔つきが突然に変わった
横山「大倉と雪には悪いが
ちょっと大事な話をするで」
名前を言われた二人は
不思議そうな顔をした
丸山「ここが
誰にも聞かれない安全な場所なので」
丸山がそう言葉を付け足すと
二人は納得したように頷いた