第6章 失う思い出
プルルルルプルルルル
『もしもし,桜乃ですが』
「こちら病院ですが,桜乃さんで間違いないですね?」
『...え?はい,そうですけど..』
「落ち着いて聞いて下さい,貴方の家族の車が事故に遭ってしまい3人とも息を引き取られました」
え?
何を言ってるの??
まさかまさかまさかまさかまさか!!!!
そんなはずないそんなはず...!
走って走って走って...辿り着いた先には3人の姿
お母さん?お父さん?こ-兄?
ねえ,何で寝てるの?起きてよ,起きて
『..うあああああ!!!!!!』
何度も揺さぶっても何度も声を掛けても反応してくれない
ああ,私は1人になってしまったんだ
正確に言えば産まれてきたときからもう一人だったのかもしれない