第24章 月
「いくぞ!」
日向の声が気合い十分で臨むのが見える
「わッ!」
「くそッ....」
ふたりの速攻は、もうずっとタイミングがあっていない
ぎくしゃくとした素人じちたプレーの様に見える、今までの変人速攻を決めていた2人とは別人の様だ
隣のコートでは、音駒と森然が試合を開始していた
「飛ぶ前ね....」
研磨が呟いた
「あいつら、ずっとしゃがんでるかもしれませんけどね」
リエーフが研磨が見ている視線を見ると先程の事を思い出し言葉を紡ぐ
「まあね....」
「おいお前ら、試合中によそ見とは余裕だな?おい」
「ご、ごめん....」
「すいません!」
黒尾の笑っていない笑顔で注意され、研磨が目線を逸らし、リエーフが頭を下げる
ん???隣が何やら騒いでいるので見ると、森然達の人と何故か目線があった
ん?なんだ????取り敢えず、会釈すると
「おい!また音駒の孤爪がこっち見てるぞ」
「ほほんとだ!」
「....?お前ら、何したんだ?」
「ななななにも、な!」
「あ、ああ!」
「おい、ブロッコリー!なに顔赤くしてるんですかー!?もうばてちゃいましたか??」
「はあ????ばてるわけないだろ!」
わあ、なんか賑やかだなあ、ふと誰かから視線を感じる
ん?研磨だ、軽く手を振ると何処か嬉しそうな表情を一瞬浮かべてくれる
あ、そういえばジャージ返さないとなあ