第21章 決裂
「はあ、はあ、ちょっと、ももこちゃん、なんで逃げるのかな」
『だだって』
水族館の中、ジャージ姿の人が車椅子の私を追っている姿は目に入るのかついに水族館の係の人に怒られてしまった
『あ、ねえ、見て見て、徹に似てるの居る』
「あ、話逸らし....はあ、どこ?」
『これこれ』
水槽に指を刺してはら変な顔をした魚が横切る
「ままさか、俺があいつに似てるって言わないよね!???こんなかっこよくてもてもてな及川さんを」
『わあ、寄ってきた、よしよし』
「ちょ!無視!???」
水槽越しにじっとまるでこちらを見るように変な顔をした魚が寄ってくる、徹の言葉を無視しては戯れていると
魚の名前を紹介する欄に名前が書いてある
『わあ、名前まで一緒、オイカワ〜』
「は!?な名前って、俺じゃん!」
驚いたような声をしては、魚の名前の欄と近寄ってくる魚を交互に見てはなにか騒いでいる
『こっちのオイカワの方が可愛いし、いい子だね』
「ちょ!そんなやつと一緒にしないでよ!!」
『あ、行っちゃった....「ねえ」...うわっ!?』
魚の水槽に指先をあてていた手首を掴まれては、顔を寄せられる
「....俺の方だけ見ててよ」
『......』
「.......」
『....さ魚に嫉妬』
「だって!あんなやつの方見て楽しそうにしてるし、俺の方が楽しませてあげられるし、」
『同じ名前だから、愛着湧いたのに』
「え?」
『さあーて、次はあっち行こ!あっち』
「ちょ、ちょっと待って!!」
車椅子を回転させては慌てて違う水槽へと向かう、すると後ろから駆け寄って来る声が聞こえた
次はどこのコーナーを見に行こうかなあ、あ!イルカのショーもみたいな