第21章 決裂
「徹!俺1人で帰れるから!じゃ、またね、ももこお姉さん!今日は有難う!」
飛雄ちゃんと別れて暫くすると、突然猛くんが手を振っては行ってしまう
『え、ちょ、え!大丈夫?迷子にならないかな』
「あー、ここの道からだったら大丈夫だと思う、俺も家に連絡しとくし」
『そっか、なら大丈夫だね』
先程まで、3人で居たからなのか、何だか落ち着かなくなってしまった
「ももこちゃん、あのさ」
『...?』
「今日は、ほんっとにごめん!俺からデートに誘ったのに、その、俺がこのジャージの姿だし、せっかく可愛い姿で来てくれたのに」
飛雄ちゃんと真似するように今度は徹が私に頭を下げてくる
お洒落してこいと言われたので慌てて服をタンスから探しては、髪の毛もセットしたり、まあ、色々と頑張れたほうだと思う
『....まだ今日終わってないよ』
「....え?」
『だ!か!ら!まだ...全然...時間は、その、余裕あるし』
顔を背けては何だか恥ずかしくなってしまった、まあ、お腹空いたし、うんうん
「ま、まだ俺に付き合ってくれるの?」
『.....楽しい所連れてってくれるんでしょ?その代わり、お昼ご馳走してね』
「!!!勿論、俺が全部払う!!!!何なら老後まで俺がお金出そうか!」
『結構です』
食い気味にお辞儀していた顔を上げてはこちらに迫ってくるも、真顔で返答すると
「その、ごほんっ、あ改めて、お待たせ、俺とデートしてくれますか?」
まるで跪く様にそっと手を伸ばしてくれる
王子様????王子様なの??なんなの?????
『....存分に楽しませてね』
「勿論!」
心底嬉しそうに笑顔を見せる徹は、何だか、その少し可愛かったです