第20章 合同練習
縁下先生直伝の勉強会が終わった後、
「なあ」
ふと、隣に並んでいたゆーに声を掛けられる
龍やきーくんなーくんとは帰り道別れて、ゆーが家まで送って行ってくれるとのこと
『?どうしたの?』
「何かあったか?」
私が止まってしまったために、少し遠くからゆーがじっとあの瞳で見詰めてくる
『え、なんもないよ!テスト頑張らなきゃだね』
目線を逸らしそうになるも顔を見られないように、ゆーの前に移動しては慌てて違う話を向ける
何も声が聞こえないために、ふと顔だけ後ろに向けると
じっと何かを言おうと口を開こうとしているのがわかった
「....ああ、テスト頑張ろうな!」
『うん』
隣に並んでは頭をわしゃわしゃと撫でられては、少し前を歩いていく
撫でられる際のあの眉を下げては笑いかけてきた表情が頭を過った
少し前にいるゆーの手を掴もうと、そっと手を伸ばす
わたしは、ちゃんと、要らなくなんて、ないよね?ここに、いるよね?
もう少しでゆーの手を掴めそうになる
「なあ」
ばっと慌てて手を引っ込めるも、首を傾げる
『ん?』
「あー、えっと、今度さ」
『??うん』
「.....また、2人でも勉強しような」
『....勿論だよ』