第12章 烏vs猫
皆,それぞれの帰りへと向かう中
『繋心くん,帰りましょ』
悪戯に笑っては声を掛ける
「お前...しょーがねえな」
何処か嬉しそうに笑う繋心くん
何分か歩いて謎の少しの沈黙
『...わけ,聞かないの?』
突然行かなくなったこと
車椅子で現れたこと
前とは何処か違うこと
車椅子を押して貰いながら恐る恐る首を回して問い掛ける
「ん..?お前は,ももこに変わりねえだろ?それに,元気そうで良かった」
そっと大きい手が私の頭に触れる
『..!繋心くんこそ,変わらずこわ顏のままで良かったよ』
「お前,なんだと!」
するとわしゃわしゃと少し乱暴に頭を撫でられる
『繋心くん,聞いて貰ってもいーかな』
肯定する様に頷く繋心くん
なぜあれから行かなくなったのか
なぜ車椅子だったのか
今の今までの事を話した
すると
「突然現れた時すげえ,驚いたんだからな?まあ,改めて宜しくな,マネージャーさん」
また頭を撫でられてはにひっと笑顔を見せてくれる
『こちらこそ,宜しくお願いします,繋心くん』
「そこは普通,コーチ様だろ?」
『繋心くんは私の中でずーっと繋心くんだもん』
お前はお前のままだ,って言ってくれて有難う
コーチになってくれて有難う
改めて宜しくね,コーチ