第9章 記憶の欠片
ずっと誰かに呼ばれて居る気がする..
あの光___一筋の光
...お,にちゃ..?
「ももこ..思い出したんだね」
お兄ちゃん..?お兄ちゃ,何で,如何して!!!何で..お母さんもお父さんも如何して!!
「ごめんな,ごめん..もうこうして涙を拭いて,頭を撫でて,抱き締めてあげる事もう出来無いな,父さんや母さんも謝ってた」
嫌だよ嫌だ,離れたくないよ!!一人になっちゃう,嫌だ嫌だ
「ももこは一人なんかじゃないよ」
...ッ,何言って
「俺はこうしてお前に触れる事はもう出来無いけど
ずっと傍で見守ってるから
良く周りを見てごらん?聞こえるだろう?声が..ももこを呼んでいる声が..
ももこを思ってくれる人沢山居るって事知れて,安心出来たよ.
でも,ももこは俺の,だけどな.何て
周りを良く見てごらん,声を..聞いてごらん?
さぁ..お兄ちゃんに大好きなももこの笑顔見せて?」
ッ..お兄ちゃん,お兄ちゃん
「よしよし,ももこの事,大好きだよ.これからも俺の大好きな笑顔のももこで居るんだよ?」
『お兄ちゃ..ん,大好き.大好き,有難う,お兄ちゃん』
泣きそうで,でも笑顔のお兄ちゃん
私の大好きな___
「...僕も,大好きだよ.愛しい愛しい僕の妹」
ぷつん
まるでテレビの煩いノイズが切れた音が響きわたった