第9章 記憶の欠片
及川side
ぴーっぴーっぴーっ
ねえ,あれはもしかしてももこちゃん..?
だって試合の時は普通に歩いて居たじゃん
あの時,追い掛けて呼び止めてれば良かったの..?
無理しちゃ駄目だよって言ったのに!
身体も細くなって顔色も白い,あの笑顔は?あの声は?
せっかく俺が来てやったんだからさ,目開けてよ
「ももこ..?なあ,ももこ!」
「空!少しは落ち着け!」
「落ち着いて何か..ッ」
『..ねえ,ももこちゃんは疲れて寝てるだけなんだよ』
「及川,さん..?」
『だって,こんな所で寝てる子じゃないよ.さすがにももこちゃんが阿呆だからって間違えて寝てるだけ「及川さん!」...ッ』
『ももこちゃん..ももこ,ねぇ早く起きてよ.またあの笑顔見せてよ.じゃ無いと俺,気が狂いそうだよ』
「...ッ,ももこ,ほら..こんな所で寝てんな,親友の俺が来てやったんだから,目覚まさないと絶交だからな?」
「ももこ,お前の事でこんなにも皆心配してんだぞ?早く目覚ませ」
「ももこ先輩,空兄悲しませるとか..あり得ないですからね」
「ももこ先輩..!早く目覚まして下さいッ」
ほら,早く起きてよ.
皆,ももこの事待ってるから.
例え,学校が違くても過ごした思い出は消えたわけじゃない
皆,必要としてるんだからさ
及川さんを心配させるとか何百万年早いんだからね