第9章 記憶の欠片
あの夢を見てから毎日の様に聞こえるあの声
寝る度寝る度,たったの居眠りさえ聞こえてくる
やめて,もうやめて
学校も行きたくないけど,
屋上行って授業さぼろう
んー,今日はあれだよね,あいつが戻ってくる所だよね
確か学校来させない的な事言われてどーたらこーたらって,態々家に来て文句言ってたし
はぁ..
プルルルルプルルルル
『..はい「ももこ!どこに居んだよ!今日俺の久々の登校日なの ツーツーツーツー
あー,なにもきこえなかった
部活もさぼろうかな,そうしよう
え?これでも初めて部活はさぼるんだよ,行ってたの褒めて欲しいよね
プルルルルプルルルル
聞こえない聞こえない
『繋心くん,お婆ちゃんただいまー』
「....」
『武田先生...』
「え?もしかして桜乃さんですか?あれ,部活はどうしたんですか?」
やからした
『急用で...』
「そうですか,大変ですねえ」
ああ,この人はまだ真っ白な純白のような人だった
罪悪感が半端ないよね
『先生はどうしたんですか?』
「僕は..」
「先生,またきたのかよってももこ!?」
『繋心くん..』
「あ?お前部活中じゃ..」
『よ用事があったの,ですよ』
「はあ?「おおおおお二人はどういう関係で!?」
「『あっ」』
繋心くんと会話していると先生が慌てて声を上げた
やらかした
「……そうなんですかぁ」
説明が終わると先生は安心したようにホッと胸を撫で下ろした
まぁこの年の差で親しげでしかも名前呼びだなんておかしいのかもしれないけど..
まぁ,誤解だと慌てる繋心くんは面白かったかな
え?それから慌てて用事があるって嘘ついて帰りましたけど,後から来た電話やめーるの数々は知らないよ