第2章 なつやすみ
そんなこんなで今…2年の2学期に至る
1年の夏休みからなんの進展もない
いろんな行事があるというのに、だ。
文化祭はプールに行った5人組で過ごした
体育祭の時は、その5人組のうちの女子2人が弁当を作ってきてくれた
の料理は本当に美味かった…
夏休みは家に誘われたくらいだから少しは脈があるのかと思ったが、どんなに時を過ごしてもやっぱり俺らはただの友達だった
1年の冬休みは一度だけ遊びに行った
それも、ウインドウショッピングについて行っただけ
が試着した服を見て
「可愛い」って言って
どれにしようかなって聞かれて
「どれも似合ってる」って言って。
散々褒めたけどやっぱり恋愛対象として見られてないんだろうなっていう結末だった
クリスマスにデートだとか正月に初詣だとか、そんなのもなかった
クリスマスには「メリークリスマスです!」とメールが来ただけ
正月には「あけましておめでとうございます!」とメールが来ただけ
そのあとは…
2年の春休みに1回、夏休みに1回、一応2人で会った
ああ、それは全部勉強会。
宿題終わらせようよ!という学生らしい誘い。
まあ…贅沢は言えねえんだけどな
唯一幸せだと感じたのは、2年からの文系理系選択で同じ文系を選んだことだった
そして2年でも同じクラスになれた
3年でも同じクラスになる確率が高くなる…
ただただ嬉しかった
クラス発表の日、同じクラスになったのが分かってハイタッチとかしたっけな
ついでに、1年の時ずっと一緒に過ごした5人組は奇跡的に全員同じクラスだった
でも、が俺に向ける笑顔はどんな時も、友達に向けた笑顔だった
好きな人に向ける笑顔になってほしかった
の好きな人になりたかった。
それは今でも変わらない
今でも変わらないのは臨也の野郎も同じ。
俺に向かって‘‘バケモノが人間の真似事してる”なんて言ってくる
‘‘あの子が可哀想”、そんなことも言ってくる
でも俺は暴力を抑えた
この上ない我慢も味わった。
に嫌われるくらいなら、臨也を放っておく方がマシだと思ったから。
好かれたいという思いよりも、嫌われたくないという思いの方が勝っていたかもしれない
とにかく毎日がもどかしくて辛くて、でも、告白して振られるのも怖かった。