あなたの声が聞きたくて【another story】
第6章 松川一静
図書室での勉強を終え、自主練をしているはずの優を迎えに行く。
ガラッ
「ちーっす。優終わった?」
優「いっせー!!あとサーブ3本打ったら終わるから待ってて!」
「ん。見とくわ。」
優「見てても面白くないよー?」
そう言いながらも嬉しそうにしてコートのエンドラインに立った。
優と反対のコートにはレシーブをしようと構える渡。
ボールを2回床に叩きつけてから、ボールを顔の前で持って祈る様に深呼吸をする。
これが彼女のルーティーン。
スッと目を開けると体育館全体に走る緊張感。
「ッ、、、」
ゾクゾクする、、、あの眼差し。
高く放られたボールは舞う様に飛んだ優の掌に吸い込まれるように当たると
ドッと鈍い音を響かせ一直線に渡の元へ飛んで行ったボールは
渡の腕を弾き2階のギャラリーに上った。
優「あっちゃー、ごめんね、、、」
渡「いえっ!終わってから取り行きます!」
まだあの時の優の目に胸がざわついている。