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あなたの声が聞きたくて【another story】

第3章 岩泉一【番外編】










及「優。」



体育館を出てからしばらく無言で歩いていたのに突然徹が口を開いた。



「なにー?」



及「いいの?」



「いいのいいの」



及「でも岩ちゃんは、「わかってる。」



徹が言いたいこと、ちゃんと分かってる。



はじめは浮気なんてしないって。



けど、じゃあなんで嘘ついたの?



なんで何も言ってくれないの?



他の女の人と会うなって言う訳じゃない。



ただ、



「ちゃんと言って欲しかった。」



それだけだった。



「それに私も一回落ち着きたいから」



及「ん、そっか。」



徹の家まであと少し。



吐く息が白く染まるほどの寒さ。



指先は冷えるし鼻もじんじんする。



もうそろそろ冬が来るんだなって感じがした。




はじめ、風邪ひかないといいけど。





こんな時まではじめの事考えちゃうって、私相当始め事好きなんだな、、、



そう思ったら余計に悲しくなった。





「はじめのばーか。」



私の呟きは白く染まって消えていった。





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