あなたの声が聞きたくて【another story】
第11章 澤村大地
「そう言えばさー、大地。優ちゃんもうそろそろ東京行っちゃうんだっけ?」
「ん?あぁ。大学の方で早速練習参加するらしい。」
「期待の選手だもんなー。」
「雲の上の人って感じだな。一緒に練習してたとか信じらんねぇくらい。」
「それ本人の前で言うなよ?悲しむから。」
バレーが好きで好きで、誰にも負けないくらい努力してきたからこそ、今の彼女はバレーの神様に愛されている。
生まれ持った才などでは無く。
「分かってるよ。それでも、遠いところにいるのは確かだろ。」
「まあな。」
だからこそ少しでも近くに行けるように今の道を選んだんだ。
なんでも頑張りすぎてしまう彼女を支えられるように。
「大地も頑張れよ!」
「おう!スガと旭もな!」
「たまには連絡しろよ!」
「検討しとく。」
「そこはもちろんだって言うとこだろ!?」
最後まで俺達らしく、賑やかに。
「「「清水も!3年間ありがとうな!!」」」
「わ、私も…ありがとう…」
こうして俺達の高校生活は幕を下ろした。