あなたの声が聞きたくて【another story】
第9章 岩泉一【番外編】4
無事買い物を済ませてスーパーを出ると買い物袋は当然のようにはじめの手へ。
空いた手は私の手に。
「あ、優さーん。今帰りー?」
明日の練習の話をしながら歩いていると道路の向こう側からかけられた声。
「そうだよー!コウくんもー?」
「そー!大会ちけーからさぁー!それより、隣の人旦那ぁー?」
「そうなの!カッコいいでしょー!」
「惚気はいらねぇーー!」
最後に一番大きな声で叫んだ後シャーっと自転車を漕いで去っていったコウくん。
「あいつ誰。」
「音駒高校バレー部のコウくん。私のこと好きなんだって」
「はぁ!?あのガキッ…」
「もー、私の旦那様はヤキモチやきなんだから。」
かわいいから許すけど。
よく筋肉のついた腕に抱き着いて残りの帰り道を歩いた。
私は貴方しか見てないよ。