あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
次の日、親しい何人かに見送られて優は東京へ向かった。
「強くなって帰ってくるからね」
と言い残して。
優は俺の安定剤みたいなものだった。
ねえ優。
お前のいない学校は酷くつまらないよ。
冬休みに入ってしばらくして、もう習慣付いてしまった月バリをコンビニで購入して
牛乳パンと優の好きなプリンも買った。
「ただいまー」
リビングを素通りして自分の部屋に直行。
ドサッと乱暴に荷物を置きパラパラと捲ると
『ニュースター誕生』の見出し。
そこには優と牛島の写真が載っていた。
二人が並んで撮られた所謂ツーショット。
優が注目されて嬉しい半面、
ツーショットに嫉妬の炎が燃えたぎる。
「牛島ぶっ飛ばーす!!」
岩ちゃんの勉強指導にもっと力を入れようと決めた。