あなたの声が聞きたくて【another story】
第8章 国見英
会話をしながら俺の言葉の“代わり”をしてくれるコイツを手に取りソファに座る優さんに後ろから近づく。
「ねえ優さん。」
「なにー?」
「外国語の本もいいけど、これも読んどいて。」
ポスンと頭の上に乗せて、手に取ったのを確かめるとその場から少しでも遠ざかろうとキッチンに足を運ぶ。
顔あっつ…お茶飲も…
冷蔵庫からお茶のボトルを取り出して、優さんの隣に腰を下ろす。
「あ、きら…これって」
「世界大会終わったら指輪もちゃんと渡すから…どれがいいとか見といて」
そっぽを向いて答えるとドーンと抱きついて来た
「あきらぁぁぁ〜」
「うわっ」
「嬉しいぃぃ〜」
幾ら何でも、泣くほどのことじゃないも思うけど。