あなたの声が聞きたくて【another story】
第8章 国見英
ふわ、と頭を撫でられる感覚に目を覚ますと目の前に晒された白い首筋。
頭に浮かんだ欲のまま首筋に唇を這わすと「こらっ」とデコピンを御見舞された。
「優さん身体へいき?」
「なんともないよ。英が優しくしてくれたから」
危うくもう一戦突入してしまうところだったけどギリギリ抑え昼食をとることに決めた。
テレビをつけると突然どアップで現れた及川さん。
「あぁ…」
「それ今度の大会のCMだね。私も映ってるよー。」
「みる。」
「きゃー私愛されてるー」
「当たり前でしょ」
ふざけたやり取りしてご飯を食べて、片付けは二人でやって。
無気力とか言われてた頃の俺からは想像出来ないくらい色々やってると思う。
ひと段落してチラッっとテーブルの端に視線を向けると、何冊か重ねられた外国語の本。
よし、いつもの場所にある…。
___計画実行の時。