第5章 歓迎会と言う名の宴
「おっ、怒った。
歓迎会始まったぐれぇから元気無いし、心配してたんだぜ。これでも」
心配…?
私を元気付ける為にわざと…?
「シャチ…」
「おうっ」
ちょっと照れたように鼻下を擦るシャチ。
「もっと別の励まし方があるでしょ」
「おいっ」
ガクッ、と軽くコケるシャチ。
「またね、ちょっと夜風に当たって来る」
「おうっ」
毒を吐くのが、精一杯の照れ隠し。
素直にお礼なんか、言ってやらない。
夜風は気持ち良い…。
まるで、心を洗われているみたい。
1人で静かに出来るかと思ったが、先客が居たみたい。
「酔ったのか?」
「ペンギンさん…」
「そう残念そうな顔すんなよ」
困ったように苦笑する。
「酔ってなんか、いませんよ。
ペンギンさんこそ、酔ってんですか?」
「…まぁ、そんなとこだ」
目線を私から外し、海へと移す。
「船長のこと、正直どう思ってる?」
「え、トラファルガー?」
なんでそんなこと聞くんだろ。