第5章 歓迎会と言う名の宴
「まだ寝てても良いぞ」
「身の危険がするからやだ」
「勘が良いんだか」
そう呟いて、ベッドから降りるトラファルガー。
「…どこ行くの?」
「どこも?なんだ、寂しいのか?」
「ち、違う!」
ほんのちょっとだけ、寂しいって思ったのは内緒。
なんか悔しいから。
「ククッ…本取りに行くだけだ」
「あ、そう」
本棚に沢山収納されている中から、1冊の本を取り出す。
なんか難しそうな本だな。
ベッドの近くにあったイスに座り、足を組んで座る。
見せびらかしてるとしか思えない長い脚…。
それに、真剣な顔で本を読むトラファルガー。
黙っていれば様になるのに…。
勿体無い…。
よく見ると、顔とか整ってるし体格良いし。
「…なんだ?ジッと見つめて」
「べ、別に?」
「別にな訳ねぇだろ、あんだけ人見つめといて」
「それはっ…」
「それは?」
「それは…」
言葉に詰まり、チラリと時計に目を向ける。
「あ‼︎朝食の時間だよ?急がなきゃ」
「はぐらかすな」
「今日のご飯は何かなぁ?」
「ったく…」
諦めたかのように溜め息を吐くトラファルガー。
良し、なんとか話さずに済んだ。
素直に話したところで、何されるか分からないからね。