第5章 歓迎会と言う名の宴
「心臓…早ぇな」
「き、聞かないで!」
「無理だな」
「離れろ」
「却下」
「ご、ご飯の時間になっちゃう」
なんとかして、離して貰おうと試みる。
「ならねぇ、まだ随分前だ」
時計を一瞥し、淡々と告げるロー。
「じゃ、じゃあ二度寝…」
「こんだけ目が冴えてんだ、無理だろ」
「ですよね…」
「あぁ」
「…やっぱり離して!」
「聞こえねぇな」
「絶対聞こえてるでしょ!」
「さぁな」
「大体、なんで私を抱きしめるの⁉︎」
こいつと話してると、まるで過去の自分に戻ったような錯覚に陥る。
「好きだからだろ」
「なっ…」
なんでそう恥ずかし気もなく…。
「大体セツナのせいだぞ」
「は?」
なんで⁉︎
「俺が触れると心地良いみたいな顔するから」
「理由になってない!」
「うるせぇな、朝っぱらからそんな騒ぐな」
「無理!」
「…なんだ、その口塞いで欲しいのか?」
「遠慮します」