第3章 寝付く先は
その言葉だけでも、ローの嫉妬心は簡単に働く。
いや、こういう場合は独占欲と言った方が適切か。
「あいつは1人で色んな仕事抱えてっから、いつも大変なんスよ。
そこに使える奴が1人居てくれるだけで、かなり安定するらしいっス」
「…助手的なことで良いのか?」
ローの独占欲が、ビリビリと辺り一面に広がる。
「た、多分」
これには流石のシャチも、たじろいでしまう。
「(い、言い出したの俺じゃねぇのにっ。
くそ…ペンギンの野郎…!)」
「…分かった、出来る限りそっちに向かわす」
航海の為では仕方が無い、とローが折れる。
「どうもっス」
「もう言うことは無ぇな」
「あ、はい」
シャチが頷いたのを確認し、セツナの膝裏に手を回し持ち上げる。
「わぁっ、お姫様抱っこだ」
「あ?」
「すいません…」
歓声を上げるベポを牽制し、部屋へ向かう。
「後は任せたぞ」
「アイアイ、キャプテン」
「うっす」