第3章 寝付く先は
「…舞え」
「!お前っ」
あまりにも無視するもんだから、ちょっとイタズラ。
トラファルガーの読んでいた本を浮かせる。
「能力者…か?」
「違うけど」
「だったらなぜ…」
「私の一族特有のもの」
「一族特有?なんだ?それは」
お、来た。
この反応を待ってたんだよね。
「教えたら部屋から出ても良い?」
「…ダメだ」
ちょっと迷いがあるっぽい。
もう一押し、かな。
「あっそ、じゃあ良い」
「…」
眉間にシワを寄せ、考えている様子のトラファルガー。
「…30分程度なら許可してやる」
上から目線ですか…でも。
「やった!じゃあ、教えてあげる」
こちらも上から目線で対抗させて貰うから。
「あぁ」
ピクッ、とトラファルガーの眉間が微かに動いたが、そんなもの今回は気にしない。
「私達一族は代々殺し屋の一族なんだけど、その中の選ばれし者だけがこの力を使えるの」
「選ばれし者…?」
「妖刀を使いこなし、更にその妖刀の本当の能力を呼び起こせた者」
「本当の能力…な」