第10章 繋がる想い
「セツナ…?」
シャチやベポよりも低めで、ペンギンさんやトラファルガーよりも少し高めの声が響く。
「そうだよ、カイ」
これは、紛れもなくカイの声だ。
操られてた時は、声なんか発して無かったから…。
久しぶりに聞けて、少しホッとする。
「久しぶり」
多分、言いたかった色々な言葉を飲み込んで言ってくれた一言目。
いや、二言目か。
「うん、久しぶり」
本当にカイなんだ…。
そう思うと、肩の力が抜けて目の前がボヤけてくる。
泣きそう…。
姿が見れて、声が聞けただけなのに…嬉しさが込み上げて来る。
「なんて顔してんだよ…相棒」
「ごめん、嬉しくて…」
相棒って響きも、酷く懐かしく思える。
「あ、相棒?
カイとセツナは相棒なのか⁉︎」
「うん、そうだよ。
言ってなかった?」
新鮮な反応を示すシャチが、なんだか笑える。