第10章 繋がる想い
「大丈夫?シャチ」
「おうっ、気にすんな」
いつもだったら、絶対怒るのに…。
頭に小さいコブが出来てるけど、大丈夫って言ってるし言わなくてもいっか。
「それより、どうしたの?
いつも以上に大声出して」
いつも大きいけど、今のは確かにそれ以上。
「カイが目覚めたんだとよ!」
「え、本当?」
「あぁ、今船長が診察してるけど多分大丈夫そうだ!」
「良かった…」
「なぁ!早く行こうぜっ」
「うん、そうだね」
自然と顔が綻ぶ。
目的の場所へ、シャチのペースに合わせて歩いたらあっという間に着いた。
コンコン。
ノックをするが、返事も待たずに入るシャチ。
「返事を待てよ」
すかさずペンギンさんにツッコまれる。
「悪い!早く会わせたくてよ」
「あれ、トラファルガーは…?」
確か診察してる筈じゃ…。
「キャプテンなら、一通りの診察が終わったらさっさと戻っちゃったよ。
ホント、今さっきね」
「ふーん…」
なんか残念…。
え?残念…?会わなくて嬉しい筈なのに…。