第10章 繋がる想い
「そんなにあの野郎が大事か?」
「…大事だよ、相棒だもの」
そんなこと、聞くまでも無いでしょ?
「俺とあいつ、どっちが大事だ」
「そんなこと…分かんないよ」
「…1日だ、猶予をやる。
ゆっくり、ちゃんと考えろ」
「ちょ、ちょっと待って。
考えるって、どっちが大事かを?」
「あぁ…どっちをパートナーに選ぶかもだ」
「パートナー…相棒?」
「そっちじゃねぇ。
どっちと付き合うか、だ」
そう告げると、トラファルガーはスタスタと出て行ってしまう。
心なしか、ほんのり耳が赤らんでいるように見えなくもないけど気のせいだろう。
「どっちが大事…か」
トラファルガーとカイ。
…両方大事だよ、私には。
「セツナー!セツナ!セツナーっ」
ドンドン、と戸を叩きながら大声で名を呼ぶシャチ。
「何?」
ドアを開けるが、思いの外力が強かったらしく…。
「ぶきゃ…ってぇー」
うずくまる者が1名。