第10章 繋がる想い
「それは勿論…」
カイ…そう言いたいのに、言葉が出ない。
どうして…?
最近、本当にそういうことが多い。
「?どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよ。ベポ」
「そっか。
カイってどんな奴なんだろうなー?」
未だ目覚めぬカイを想像し、ニコニコと顔を緩ませるベポ。
「ベポと同じで、優しい人だよ」
「なんか照れる!」
早く目覚めて欲しい。
そんな想いを込めて、カイの手をギュッと握る。
目を瞑り、そして強く願う。
1日も早くカイが目覚めますように…と。
「ちっ…」
どこからともなく、小さな舌打ちが聞こえた気がするけどそんなことをしそうな人はここに居ないから、きっと空耳だろう。