第8章 決まった想い
「でなきゃ医者が務まるか。
だから、そいつの頭にある “ 何か ” を取り除けば元に戻んじゃねぇかと思うんだ」
「なんで頭だと思ったの?」
「あ?単純だろ。
頭には脳がある、身体に巡る信号は脳から発せられるんだ。
だから、脳さえ支配しちまえば簡単にそいつを操れるって訳だ」
「うん」
恐らくトラファルガーは、私にも分かるように砕いて話してくれている。
「つまり、そいつの全てを変えられた訳じゃねぇんだ。
ただ操られてただけだよ」
「そっか…」
それを聞いて、一安心。
カイはカイのままなんだ…。
「治療は早いに越したことはねぇだろ?
だからオペは今日中に行う」
「治るといいな…」
「俺を誰だと思ってる。
さっきは言葉を濁したが、治してやるさ。
絶対にな」
「…ありがとう」
「だから、残れよ。ここに」
「そのつもりだよ」
あなたなら必ず、治してくれるから。