第8章 決まった想い
「お前の治療は終わったから、戻れよ。
オペは俺とシャチ、ベポでやるからな」
「お願い」
そう短く告げて、部屋を後にする。
なんでだろう…あいつの言葉は凄く信頼出来る。
なんでも話せるし、任せられる。
心地良い…。
けど、それと同時苦しくもある。
胸が締め付けられるような痛みが襲う。
「よぉ、セツナ」
「ペンギンさん…」
甲板に出ると、ペンギンさんが壁に寄りかかっていた。
「どうだった?あいつは」
「治りそうだよ」
「そりゃそうだ、うちの船長だからな」
「うん」
「あいつ、名前なんだっけ?」
「あいつって、カイのこと?」
「そう、そいつ。どんな奴?」
「優しい人だよ。
どんな時でも、人のことを最優先にする人なの。
自分を犠牲にしてまでね」
「そうか」
「なんでそんなこと聞くの?」
「別に、大した理由じゃねぇよ。
この船に乗るんだから、知っておくべきだと思ってな」
「そっか」