第7章 言ったろ、どんなことでも受け入れるって
「首の後ろは、生物にとって最もの死角だ。
加えて言うなら、お前ら悪騎死が使う妖刀の能力を封じることが出来る唯一のモンだからだ。
まぁ、これもヤツから聞いたことだがな」
「…脚を狙え、セツナ!」
「脚…?」
「動く時に、極僅かだが脚を引きずっている。
攻撃する時も、極力脚を動かさずにやってる。
俺を信じてやってみろ、セツナ!」
トラファルガーの、なぜだか信頼出来る言葉。
「分かった…」
頷くと同時に、奴の脚に向かってスライディングする。
「ぐぁっ…」
案の定、バランスを保つどころか避けることすらも出来ずそのまま横に倒れるシド。
そしてそのまま、刀を振り下ろす。
人を殺める時には、心を持ってはいけない。
それが、悪騎死の暗殺での暗黙のルール。
心を持ったままでは、必ずどこかに躊躇いが生じるからだ。
暗殺に “ 情 ” は必要無い。
物心ついた時から、そう教わっている。