第7章 言ったろ、どんなことでも受け入れるって
「だが、たった1人だけ生け捕りに出来なかったんだよ…殺人鬼。
それが俺の中将止まりの理由だ。
生き残りであるお前を生きて連れて帰りさせすりゃァ、俺はまた昇進することが出来る」
ニタリ…と、気味の悪い笑みを浮かべている。
そういうことか…こいつが私に近づいた目的は。
「ゲスが…己の欲の為なら、他人を犠牲にしても構わないって言うこと…?」
「あァ、そうだ。やれ、カイ」
シドが命令を下すと、すぐに斬りかかるカイ。
よくも…よくも私の仲間を…‼︎
カイは、私の良き理解者だった。
私が当主になる前から、ずっと支えてくれた。
理不尽な争いを嫌い、自らの力を人の為にと使う。
そんな優しいカイに…そんなことをさせるなんて。
「絶対、救ってみせる…カイ」
今度は、私がカイを救う番。
そしてまた、2人で…進もう?