第7章 言ったろ、どんなことでも受け入れるって
「甘いな…」
ニヤリ、とシドが怪しく笑う。
「‼︎なっ⁉︎」
奴が火炎を離したかと思うと、それを別の手が拾った様に見えた。
そして次の瞬間…。
ボワッ、とヤツの周りに炎が広がる。
「ここじゃやりずれぇから、一旦船から降りろ。
更地で捕まえてやる」
…確かに、ここで戦っては船になんらかの被害が出るのは目に見えている為、大人しく船を降りる。
すると、他の皆も船を降りて来る。
「ちょうど良いタイミングだったぜ…カイ」
「えっ…」
カイ…?
スッ、とシドの背後から現れた1人の青年。
カイ、と呼ばれた彼の右手には火炎がしっかりと握られている。
「ど、どうして…」
思わぬ彼の登場に、セツナも動揺を隠せない。
「あ?何がだ?」
「カイは、アレの時に死んだ筈っ…」
そう…確かにあの時に…。
緊迫した空気に、流石のシャチですらも口を挟むことが出来ないでいる。