第7章 言ったろ、どんなことでも受け入れるって
それは…。
「火炎…」
一族に伝わる、妖刀の一種で炎を司る。
「どうしてお前が…」
震える声を、動揺を隠すことが出来ない。
「どうして、だァ?
何寝惚けたこと聞いてやがる。
忘れたのか?俺はお前らを…」
っ…止めて…‼︎
「殲滅(センメツ)した男だぞ?」
頭痛がして、目の前がチカチカする。
頭の中では、アレの記憶が蘇り吐き気を覚える。
「せ、殲滅?何言ってんだよ…」
痺れを切らしたシャチが問う。
「こいつら一族は、とてつもねぇ力を持ってたんだ。
我々海軍を脅かすような、強力な力をな」
止めて…話さないで…。
これ以上、皆との間を切り裂くようなことをしないで…。
これから始まるであろうこいつの昔話を聞くに耐えられず、斬りかかる。
火を司る火炎と風を司る息吹では、火炎の方が有利。
けど、それは契約者同士の場合。
こいつは我々の血縁者でも無ければ、正当な契約者でも無い。
…こんな奴に、力が使える筈が無い。