第6章 犬猿の仲
「っ…」
まだ長い時間力を使うのには体力が追い付かず、直ぐに疲れてしまうセツナ。
「疲れたのか?」
それを、めざとく見つけるロー。
「まぁ…」
「甲板で干しときゃ戻るだろ」
「ダメだよ、そんなの」
無責任な…。
「じゃあ、火ん中ぶち込め」
「燃えちゃうよ!そんなのっ」
ベポ…あなたもさっきそれと似たようなことをやろうとしてたんだよ?
とは言えず、心中で苦笑する。
「熱湯の中へ入れろ」
「ヤケドしちゃうってば!」
ベポ…。
自分がやるのは良くて、人がやるのはダメなんだね。
熊って、そういう生き物なのかな?
「っ…げほっ…」
バラバラになったシャチが咳き込む。
「シャチ!大丈夫?」
「けほっ…ベポ?」
「起きたっ!
セッちゃん、シャチ起きたよっ」
「見れば分かるよ」
「ちっ …起きたのか」
「舌打ちって…それより、シャチくっ付けてよ」
「あ?やなこった」
「そんなこと言わないでよ、仲間なんでしょ?」
「…お前、仲間って意味知ってんのか?」
「え?」