第6章 犬猿の仲
「セッちゃんー!」
「どうしたの?ベポ」
かなり慌てた様子のベポ。
「ペンギンが呼んでるよ」
「ペンギンさんが?分かった。
測量室だよね?」
「うん、それでね?シャチ知らない?」
「シャチ?そういえば今日見てないね」
今日、と言うより昨日の夜から。
「探してるのに居なくて…」
「…シャチなら、バケツん中だぞ」
後ろから、低い声がした。
後ろに立つの好きなのかな?大概後ろからだし。
今は、そんなことよりも…。
「は?バケツ?」
「うぜぇから、バラして水に浸けといた」
「キャプテン!なんてことするの⁉︎」
「顔(口)は浸けて無ぇから、死にやしねぇよ」
「そういう問題じゃないよっ」
と、バケツのあると思われる方へ走り出すベポ。
…怒った顔も、それはそれで可愛い。
「…私も手伝った方が良いのかな」
「あ?なんでだ」
「なんでって…」
このサディストに言っても仕方ない、か。
「誰がサディストだ」
「へ?」
「全部口に出てやがる」
こめかみを引くつかせているトラファルガー。
「あ、はは…シャチ探して来る」
そう言うや否や、ベポの向かった方へ走り出す。
「おいっ…たく」