第6章 犬猿の仲
昨日のイライラが残るセツナの心とは裏腹に、良く晴れた日の朝。
甲板で、海を眺めながら伸びをする。
この海は、なんて綺麗なんだろう。
透き通るような水、そして色取り取りの魚。
海ってこんな美しいものなんだ、と初めて知った。
昨日見た海は夜だったから、暗くてあまり見えなかったし。
昼間は、買い物とかでほとんど見る時間が無かった。
こんな綺麗な海を見ないなんて損。
この海を潜水したら、どんな景色が見えるのだろう。
上から見るのと、中から見るのでは見え方に違いはあるのかな。
皆には見慣れてる海でも、初めて見る私にとってはキラキラして見える。
トラファルガーが船を潜水艦にしたのって、この綺麗な海を眺めていたいからなのかな。
いや、それは無いか。
あいつの部屋に窓は無かったから、景色なんて見える訳が無い。
あ、それとも悪魔の実の能力者で泳ぐことが出来ないからかな。
うん、それなら分かるかも。
…って、なんでまたあいつのこと考えてるの。
海から、自然とトラファルガーへと逸れてしまう。
またもや自分にイライラしていると…。