第6章 ◆合同任務
「そんな、、だからって兄さん
サラも一緒に行かないといけないなんて
易々とノアにサラを差し出すようなもんだわ。
他にも方法がきっと・・・」
リナリーは目に薄らと涙を浮かべながら
コムイに近付いたが
そのリナリーの手を横にいたサラが
スっと掴み言葉を制止させた。
「いいよ、リナリー。
私は大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。」
アレンのように隊服のフードを目深に被って
ひたすら俯いていたサラだったが、
リナリーに話す時はフードを脱ぎ微笑んだ。
「サラ・・・でも、、」
サラの行為に
リナリーも言葉が詰まる。
「今は、チャオジーと民間人の救出。
それだけ考えようよ。
私が強いの、リナリーが一番知ってるでしょ?」
うるうると目に涙を貯めてサラを見やるリナリーに
サラは作ったような満面の笑みを向けた。
ー・・・小さい頃から一緒に育ってきてんもんな、この2人。
「じゃあ、、約束よ。」
「・・・うん?」
「私たちから絶対に離れないで、サラ。」
「えっと?」
リナリーの約束に
少し惚けたような素振りをするサラ。
「あ、サラはまたそうやって!
ひとりでノアに向かう気だったでしょ!」
そんなサラとリナリーの間に割って入るアレンが
サラの両肩を掴み、勢い良く叫んだ。
「そんなこと、無いよ。
ただ自分の問題に皆を巻き込みたくは無いから
その時は離れてほし」
「「それがダメなの!!!!!」」
サラの小さい声に
アレンとリナリーの大声が重なる。
途端に、ビクリと肩を震わせたサラが
更に小さい声でごめんなさいと俯いた。
「ハァ・・・サラ、
君はひとりじゃないっていつも言ってるでしょ?
エクソシストの皆を信じられない?」
俯くサラの顔をアレンが覗き込むようにして
優しく話す。