第5章 ◆休暇の後
「 コムイさん・・・」
流石に言い方に癖が出てしまっていたコムイに
サラも疑問を覚えたのだろうか。
先程までのキラキラとした笑顔を抑えて
サラですら、真剣な表情になる。
そんな傍らの俺は
ふぅ、とひとつの溜め息を零した。
「 ・・・なぁ、コムイ。
何でそこまで俺とサラを組ませたいんさ?
俺とサラが一緒に
任務に行かなければいけない理由があんなら
それ教えてくんねーと
多分、サラは納得しないさー?」
後頭部に両手を当て
片方の足を軸に体制を緩めた俺は
怪訝そうな面持ちで
俺の横に立つサラを一見してから
コムイに提案する。
「 ・・・。」
そんなコムイもサラを見つめた後
ゆっくりと席を立ち小さく咳払いをした。
「 サラ。
君が強情で意志の強いエクソシストなのは
僕も良く分かっている。
しかし・・・
明日の任務内容を今伝えて
君たちの残りの今日を
犠牲にする訳にはいかないんだ。
できれば明日、伝えたい。
・・・分かってくれないか?サラ」
律儀に頭を下げる、
こんなコムイの姿はいつ振りだろうか。
それも、まだ16やそこらの少女に対して。
そんな姿を第三者の様に
見据えてしまう俺は
一応、今回問題になっている
エクソシストに含まれている訳だけど。
「 ・・・で?
どうなん?サラ。」
頭を下げるコムイを
何も言わずにただ見つめるサラ。
どちらも先手を打つ事は無さそうな雰囲気に
俺は思わずサラに問い掛けた。
「 ・・・」
「 サラ?」
俺の言葉にもピクリと反応を示さない
隣のサラに対し再度問い掛ければ
「 ・・・はぁ。」
サラから少し困ったような顔を
向けられたかと思えば
そのまま真下の床へ
盛大な溜め息を零していた。
そして、
「 ・・・分かりました。」
降参するかのように呟く
サラの承諾の言葉が
小さく響いた。