第1章 ◆想定範囲
『おかえりなさい!』
教団に戻るなり、
一番に顔を見せたのはやはり、サラ。
…ていうか、待ち構えてただろ。
明らかに寝泊まりしようとしてただろ。
ニコニコと出迎えてくれるサラの後ろには
毛布と枕がしっかりと準備してあった。
『早かったんだね、無事でなによりです!』
「サラ、ただいま。
今回は自然現象だったのよ。」
リナリーとアレンが呑気に答えている横で
そろーっと通過しようとする俺を
『ラビ?』
サラは見逃すはずがなかった。
「ラビ、帰ったらサラに
ただいまを言うんでしょ?」
…俺は子供か?
リナリーに誘導されるがままに
「た、ただいま…。」
渋々、サラに向けて言葉を発する。
『おかえりなさい!ラビっ!』
喜びを満面に表しながら
俺の真横に立つサラは
俺の行く先に着いて行く気満々なようで、
そこから動かない。
「あのー…、俺今から部屋に戻」
『知ってる!任務で疲れてるだろうから
部屋までの間、倒れても大丈夫なように
私が着いてくよ!』
またも、食い気味で答えられる始末。
俺の事、考えてるのか考えてないのか…
わかんないさー…。
こんなことになるなんて、
ほんと想定範囲超えまくってます。