第1章 ◆想定範囲
「なんで、ついてくるんさー?」
『たまたま行く所が同じなんだよー。』
そうニッコリと笑って
俺の後ろをついてくるエクソシスト
ルファイサラ。
また今日も、
いつも通りの追いかけっこが始まっている。
「こっちは男用の風呂さ?
サラはリナリーんとこ行けよ。」
朝の訓練終わり
俺がシャワー室まで行く間のほんの数分でも
こいつは俺から離れない。
『じゃあ、待ってる!』
「あほか!
いい加減、気が散るさー。」
俺がこっちに来た時からずっと
俺に付きまとうサラ。
なんでかって…
そりゃあ、俺が
「ストライクー!」
サラと初めて会った時に言ったこの発言が
そもそもの原因。
教団で育ったサラには
外の世界のことも疎か、
異性との交流すらも知らない。
そんなサラにとって
男から言い寄られるなんて初めてだったんだろう。
だからって…
『私はラビと一緒に居られれば本望です。』
「アクマと戦え!エクソシスト!」
俺がこんなに、付き纏われるハメになるとは…。
「バカモンー!!!
エクソシストの心を乱すとは愚か者め!
自分の立場をわきまえんか!」
お陰でじじぃにどやされる毎日さ
とほほ…。