第2章 ◆任務の後
「へぇー、
ラビがサラの話聞かずに
すんなり戻ってくるなんて、思いませんでした。」
「サラももう少しラビに心開いてもいいと思うんだけどね。
ラビがサラを避けちゃうから難しいのかしら。」
少し重い足取りで食堂についた頃、
既に食後となっているアレンは俺を見るなり
真っ黒な笑顔で皮肉る。
・・・あれか?俺がブックマンの癖に
サラの心を読まずに帰ってきたからか?
ていうか、何で分かったんさ?
そんなに俺、戻ってくるの早かったか?
アレンの発言にすかさずフォローしてくれる
リナリーも、もはやフォローになっていない。
「はぁーー。疲れるさ。」
どんよりした雰囲気を纏って俺はのそのそと
アレンとリナリーが横に座る食卓の向かいへ
腰を下ろし、そのまま顔も突っ伏した。
「ラビ、お疲れ様。
食事取らないとバテちゃうわよ。」
心配そうなリナリーの声が聞こえた後、
ポンポンと優しく肩を叩かれる。
・・・あぁ、リナリーもサラと同じこと
言うんだな。・・・って、そっか
二人は教団でずっと一緒に育ったんさ、
似るのは当たり前か……。
……。
「・・・なあ、リナリー。」
ある事を思い付いた俺は、むくっと顔を上げる。
「どうしたの?」
顔をあげた先には
ニコリと笑う優しいリナリーの表情。
「リナリーはサラと同じように育ってんだろ?
なら、サラもリナリーと同じことされてんの?」
俺の質問に、
リナリーのさっきまでの笑顔が一瞬崩れ
困ったように笑い直した。