第23章 華
アン「その能力は、まだ未開放よ。」
メアリー「・・・は?意思疎通出来てるのに?」
アン「現に、貴女の目は緑色だもの。」
アンの瞳は紫と緑。オッドアイだ。
メアリー「・・・まさか・・。」
アン「解放されれば、オッドアイになる。」
メアリー「解放したら何が出来るの?」
アン「・・・解放すれば、何かを失うわ。」
メアリー「・・・失う?解放してるのに?」
アン「巨大な力は手に入るわ。でも、その分失うのよ。」
そこで、メアリーは初めて気付いた。
メアリー「・・・お母さん・・眼が・・・。」
アン「そうよ。視力はない。」
アンの視線と、メアリーの視線が合う事はなかった。
アン「この眼で見る事は出来ないけど、能力で見れる。だから不便はしなかったわ。・・なのに、あのバカは気付いたの。唯一。」
メアリー「・・・それで、消息を絶ったの?」
アン「解散するって言われた時に言われたのよ。自由に生きて見ろってね。」
寝転がるアン。
アン「でも、結局すぐに後を追う事になった。結構無茶して生きてたしね。」
メアリー「・・・満足?」
アン「当たり前でしょ。私は、自分の人生で後悔なんてしてない。・・・あぁ、でも・・。」
貴女の成長する過程が見れなかったのは残念。
メアリー「・・・ふふふっ・・。」
アン「・・・?何か変なとこがあった??」
メアリー「エースも、同じこと言ってた。ルフィに。」
アン「・・・!」
メアリー「ずっと一緒にいると、移っちゃうものなんだね。」
アンは少し頬を染めながらメアリーを見る。
アン「・・・ねぇ、メアリー?」
メアリー「何?」
アン「彼らが貴女の弟になったのは必然なのよ。」
メアリー「・・・え・・?」
アン「Have a nice life・・・♪」
視界は、真っ白になった。