第23章 華
ハッと目を覚ます。
上は茶色の木の板。
メアリー「・・・あ、れ・・。」
アルはしっぽを振ってメアリーを見ていた。
メアリー「・・・アル・・。」
アルに触れようとして手を伸ばした。
だが、それは届くことなく、メアリーもろとも地面に落ちる。
メアリー「いてて・・・え・・。」
メアリーのベッドの傍に置かれていた透明な花瓶。中には水が入っている。
反射されて見えるメアリーの目は、
紫と紅。
メアリー「・・・緑じゃ、なくなっちゃった。」
バタバタと誰かが走って来る音が聞こえる。
バンッ!!と扉の開く音がして、メアリーはそちらを振り向く。
エース「・・・姉ちゃん・・!!」
サボ「姉ちゃん!!」
エースとサボが、目に涙を溜めてそこに立っていた。
メアリー「・・・ただいま、エース、サボ。(微笑」
エース「姉ちゃん・・・眼・・!」
エースはメアリーを抱き抱えてベッドに座らせる。
メアリー「あぁ・・・これは気にしないで。多分開花したんだと思う。」
サボ「・・・開花?」
メアリー「能力の開花。・・・代償は、この脚ね。」
エース「!姉ちゃん、一生歩けないのか・・・!?」
メアリー「さぁ・・・そこまでは教えてもらえなかったな・・。」
サボ「・・・じゃあ、可能性はあるんだよ、な?」
メアリー「!・・・そうね。(微笑」
エース「・・・お帰り、姉ちゃん。」
サボ「お帰り。姉ちゃん。」
メアリー「ただいま。」
頂上決戦から半年。
メアリーはようやく目を覚ました。