第22章 傷
目を覚ますと、木の天井が見えた。
慌てて起きれば、潮風の匂いに騒がしい音。
ベッドから起き上がって部屋から出ようとしたが、立てなかった。
サボ「・・・体力、消耗しすぎたか・・?」
静かに開いた扉。しかし騒いでいる音が聞こえる。
サボ「アル・・・。」
未だに血まみれのアル。
サボを立たせ、乗せて歩き出す。
甲板に出てみれば、誰かが暴れているようだった。
サボ「・・・行ってこい、アル。俺なら平気だ。」
そう言えば、アルはサボをゆっくりと降ろし、人だかりへ入って行った。
マルコ「・・・目覚めたかよぃ。」
サボ「マルコ、あれから俺はどれだけ眠ってた?」
マルコ「3日ほどだねぃ。」
サボ「・・・そうか。」
マルコ「もっと寝てろぃ。」
騒がしくなくなって、アルはエースを引っ張って来た。
サボ「・・・やっぱお前か、エース。」
エース「!サボ!!目が覚めたか!!!」
エースはサボに気付くと、立ち上がって側に寄って来る。
マルコ「・・・親父の墓は、赤髪に手伝ってもらったよぃ。」
サボ「・・・この島に埋まってるのか?」
マルコ「そうだよぃ。回復したら行ってこい。」
エース「・・・。」
マルコ「お前のせいじゃないって言ってるだろぃ。暴れるんじゃねぇよぃ。」
エース「でも・・・!!」
マルコ「・・・親父の死を、みじめな物にするんじゃねぇよぃ。」
エース「・・・!」
マルコ「サボ、エース。その山犬風呂に入れろぃ。俺達が近寄ると唸る。」
サボ「・・・エース、姉ちゃんは?」
エース「・・・船医とナースたちのお陰で、一命は取り止めた。・・けど・・。」
目覚めるかどうかは、わかんねぇ・・・。