第22章 傷
ハッとなって、俺はふらりと立ち上がった。
船医「サボ!?」
そして、見てしまった。
ティーチが、いる。
エースに、ルフィに、メアリーに、親父に、皆に怪我をさせる原因を作った張本人。
サッチを殺した本人。
サボ「・・・ティィイイチィィィイイイ!!!!」
マルコ「サボ!?」
マルコ達の制止の声も届く事なく俺は迷う事なく船を下りた。
ふわりと持ち上げられる感覚がして、下を見ればアルが俺を乗せて走っていた。
白髭「サボ・・・!」
ガァンガァンッ!!と響く銃声。
ティーチ「グワァァアアッ!!」
「「船長!!」」
サボ「お前だけは絶対に許さない・・・!!ティーチ!!!」
ティーチ「・・おぉ・・・副隊長・・・!!副隊長は生き残ったのか。」
その言葉が、胸に刺さった。
ティーチ「山の姫も欲しいと思っていたが・・・まさかお前らの姉で、しかも海賊王の実の娘だったとは知らなかったぜ!!欲しいなぁ・・・!!!」
サボ「姉ちゃんはお前なんかに絶対やらねぇ!!!」
ティーチ「あの美貌・・・売ったら大金になるのは間違いねぇ・・。加えてあの海賊王と堕天使の子だ!!更に金が入るだろうぜ!!!」
サボ「お前・・・!!」
ティーチ「副隊長、もう1度だけ言う。俺達と共に来ないか?山の姫と、麦わらも一緒にだ!」
サボ「死んでも御免だ!!!」
二人の間に入る影。
サボ「!親父・・・!!」
白髭「さっさと行けアホンダラ。船長命令無視してんじゃねぇ。」
サボ「けどっ!!!」
白髭「さっさと行けバカ息子!!!」
いつの間にか、アルは黒ひげの真後ろにいた。
ラフィット「!船長!!」
ガブリッと勢いよく黒ひげを咬むアル。
ティーチ「いってぇええっ!!?」
バージェス「ウィーアー!!」
バージェスがアルに殴りかかるもアルはひらりと避け、当たらなかった。
サボ「アル・・・!」
白髭「・・・お前・・。」
アルは白髭の隣にしゃがみ込んだ。
白髭「・・・息子を任せたぞ。」
そう言われるなり、アルはサボの元へと走って来た。