第22章 傷
たまたまなぜか飛んでいたバギーに拾われ、沖にいたトラファルガー・ローの船に滑り込み、ジンベエとルフィは逃げ出せた。
サボ「・・・なぁ、姉ちゃん・・起きろよ・・・・!!」
船の甲板で船医の治療を受けるメアリー。
サボ「俺達の帰り、待っててくれるんだろ!?」
ぽたぽたと、甲板にシミを作る。
海が、地面が揺れる。
世界最強の男が、怒っている。
マルコ「サボ!!」
サボ「マルコ!!」
マルコ「エースは・・・!!」
マルコはエースを見て驚く。
血が、流れていない。
赤犬によって怪我した脇腹は、何の痕もなかった。
サボ「・・・エースは眠ってるだけだ。けど・・・!」
メアリーは意識を取り戻さない。
血液も足りてない。
マルコ「!」
サボ「・・・さっき、姉ちゃんがエースを助けてくれたんだと思う。」
エースは致命傷を負った。この目で見ている。
が、そのエースに怪我は見当たらなく、眠っているだけ。
サボに心当たりがあるのは先ほどのメアリーの行動。
キスでこのような事が出来るとはにわかに信じがたいが、
サボ「・・・姉ちゃんだもんな。」
サボはグッとメアリーの手を握る。
「ゼハハハハハハハ!!!」
聞きたくない声が、戦場に響いた。